#159 映画メモ。

「マザーウォーター」


「トイレット」


「アヒルと鴨のコインロッカー」


「ミルク」



荻上直子監督の「かもめ食堂」→「めがね」→「トイレット」の
一連のシリーズには同じ空気が流れている。
作品によって設定や物語は違えど、共通する同じトーン。


この間、久しぶりにそういう目で「かもめ食堂」を観なおしてみて、
全てはやはり、元祖「かもめ食堂」から始まったんだなあ、と改めて思った。


かもめ食堂」で確立された世界観は、なんともゆるぎない。
あの独特の間とトーンに大きく共感し、ゆったり浸れた人ならば
この一連の作品たちはどれも楽しめるという安心感がほぼ保証されている。


それが故に、同じスタッフで監督違いの「プール」にも、「マザーウォーター」にも
荻上直子が撮らずとも同じ空気が流れている。
キャストやスタッフが同じなのだから当然でもあるし、
あれだけ役者の空気感に頼る所が大きい世界だからこそ、ある意味ずるい、
とも思えるのだけれど、この安定感があるからどっぷり安心してこの世界に浸かることができる。
やはりそれは元祖「かもめ食堂」の存在があるからこその気がする。


それにしても、何度観てもエンドロールで聴く井上陽水の「クレイジーラブ」にはぐっとくる。
「ああ、日本人でよかった…」と泣ける気持ちを倍増させてくれる。
ここで井上陽水を持ってくるあたりにセンスを感じずにはいられない。


公開中の新作「レンタネコ」はどんな感じか気になるところ。


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