#154 映画メモ。

「インテリア」
コメディタッチのものより、こういうシリアスでインテリジェンスな
トーンの方が、ウッディ・アレンらしい気がする。
完璧でに作りこまれた、隙のない部屋のインテリアがゾッとするほど
登場人物の内面を現していた。


「127時間」
結末が分かりきっているにもかかわらず、魅せられる映画。
冒頭の入り方が予想を裏切る感じで、ありきたりな実話物語に
終わらないようにという試みが至るところに。
それにしても、生死の栄目に立たされた人間を分けるのは、
やはり未来へのビジョンなのかも。それを最後まで持ち続けられる
人間からは、こんなにもすごいエネルギーが出てくるのか。


「重力ピエロ」
小説が元だけあって、映像で観ると設定の強引さに
少し気がとられてしまったけれど、まあまあよかった。
小日向文世のお父さん役がよく、「俺たちは最強の家族だ」
の台詞も嘘くさくなく入ってきた。


「転々」
ワンシーンごとのエピソードがいちいち脱力した面白さで、
面白いネタを繋げていったら映画が一本できちゃいました、的な
ゆるさを漂わせているにもかかわらず、ぐっとくるところはちゃんと
染み込んできて、どんどん引き込まれて行く絶妙な空気感。好き。


a dog in Takayama