#019 森の深さ。

レイトショーで「ノルウェイの森」を観た。


いやはや、自分が今まで森と思って見てきたのは
「森」じゃなくって「林」にすぎなかったと思うくらい、
あらためて感じた森の深さがあった。


小説だけを通してわたしが見ていたノルウェイの森は、
わたしのフィルターに通されて、かなり偏った断片だった気がする。
そこに森があるのに、自分の気になる種類の木や、
そのディティールばかりを気に留めていたような感じ。


映像を通して、初めて森を俯瞰で見ることができた気がする。
自分の想像力が乏しくて入っていっていなかった深みに
美しい映像が連れていってくれた感じ。
映画化したことでシンプル化したシーンや
原作からアレンジした部分もスマートだと思った。


とはいえ、わたしがこれだけ感動したのは
わたしがそこまで熱心なハルキストではないからなのかも。
小説に思い入れがあればある人ほど、いろんな思いを持つかもしれない。
少なくともわたしにとっては、響く1本。


そして今度はまた今までとは少し違う気持ちで
またまた本を手にとっている。